2005年フランスでかかりつけ医制度を導入する際に政策にも関わられたパリ大学医学部のプライマリーケアの神様ジルベール教授と。本制度が導入されて10年、制度の反省点、今後の改革の方向性等についてお伺いしました。
イギリスのかかりつけ医によるゲートキーパー制度をお手本に、フランスで国民に受け入れ易い形に少し緩く改良して導入。フランスでは患者が自由意志で自分のかかりつけが選択でき、ドイツイギリスのように必ずしも居住地区のGPである必要や最低変更不可期間はありません。16歳以上のすべての国民が、かかりつけ医を選択し、自己の加入する保険に申請する義務があります。(厳密には法的に義務ではなくて保健医療を受ける上で、かかりつけ医を持たないと医療費に経済的なペナルティーが発生します。)ただし産婦人科、眼科、精神科、救急はかかりつけを通さず直接専門医を受診しても良い特別措置もあります。
かかりつけ医を通さずに直接専門や病院に受診すると自己負担は本来の3割ではなくて7割になってしまいます。制度導入後、重複検査・受診が減少したと言われています。統計上、GPが多く専門医(フランスでは専門医もかかりつけに選べる)はあまり選ばれません。
専門医(Specialist)と一般医(Generalist)の違いが大きくあるフランスの医学部教育や診療報酬の制度をまた別の機会に説明します。日本とは一概には比較できませんので。
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